新幹線の安全神話を築いた施工・保線技術。
その優れた技を
世界の鉄道に提供しています。

軌道部門

名工建設は1941年6月、当時の「鉄道省輸送力増強施策」を実現するための鉄道工事専門会社として誕生しました。つまり、軌道部門は、名工建設設立の原点となる部門です。設立以来80年以上にわたり、鉄道省、国鉄、JR東海等の鉄道工事に一貫して携わり、安全・安定・快適な輸送を守るという使命を果たしてきました。

その歴史の中で、変化に富んだ日本の国土において、最新鋭の新幹線から在来線に至るまで、あらゆる軌道構造の新設工事・改良工事・メンテナンスを、安全・確実に実施するためのノウハウを培ってきました。現在ではJR東海の新幹線・在来線、さらには愛知環状鉄道、城北線、名古屋市営地下鉄などの軌道工事において、その技術力をいかんなく発揮しています。

軌道工事には大きく分けて、保線工事と敷設工事の2種類があり、保線工事とは、線路のメンテナンスを施す業務。また、敷設工事とは新しい軌道の建設です。

昭和40年10月頃 東海道新幹線夜間保守作業

鉄道路線の安全確保に多大な貢献。(保線工事)

保線工事とは、鉄道の安全、正確さ、快適な乗り心地を確保するために、線路のメンテナンスを施す重要な業務。その作業のほとんどは最終列車から始発列車までの間、深夜に実施されます。たとえば、世界一の安全性を誇る新幹線。最新の保線作業車による綿密な点検に加え、一夜に数百名を越える作業者が各種の機械を駆使してレールの水準や軌間、高低を点検補修し、安全輸送の裏方を担っています。

道床バラスト更換

ロングレール更換

あらゆる軌道構造の建設が可能。(敷設工事)

敷設工事とは、新しい線路を建設すること。名工建設では、従来のバラスト軌道に加え、スラブ軌道、弾性直結軌道など、さまざまな軌道構造に対応できる技術力を有し、メンテナンス作業の削減、乗り心地の良さ、環境面に配慮した敷設工事を行っています。スラブ軌道と弾性直結軌道の工事には、高い精度を要求され、特殊な技術が必要です。

名工建設では、JRの各線はもとより、名古屋市内の地下鉄、愛知環状鉄道の複線化、つくばエクスプレス等において実績を積み重ねています。また、世界一安全に運行されている日本の鉄道システムや軌道構造は各国から注目を集めており、その高度なノウハウを、アルゼンチン・台湾・インドネシアなどの国々へも提供しています。

北陸新幹線 津幡軌道新設工事

九州新幹線 八代軌道新設工事

インドネシアジャカルタ都市高速鉄道南北線(地下鉄)工事

えちぜん鉄道 計画線軌道敷設工事

海外技術協力について

鉄道工事は、一般の土木工事と比べ、施工管理や工法について特殊な知識・技術が求められます。世界一安全に運行されている日本の鉄道システム、軌道構造は各国から注目を集めており、多くの国でそれらを取り入れた鉄道の運用をめざしている中で、名工建設は培ったノウハウを世界各国に伝える役割も担っています。

1982年、アルゼンチン国鉄ロカ線近代化工事への技術協力を皮切りに、各国への技術者(スーパーバイザー)派遣を続けています。対象工事は、電化、複線化、駅改良など、多岐にわたり、また、業務内容も、測量、工事計画、線路切換計画、施工管理、施工技術の指導など、鉄道工事全般にわたる幅広いものとなっています。名工建設の基本方針である「安全」を前提としたマネジメントは各方面で高い評価を受け、海外軌道工事では欠かせない存在となっています。

海外での主な技術協力実績

事業内容 工事期間
アルゼンチン国鉄
ロカ線近代化工事
1981年~1986年
ボリビア共和国鉄道
災害復旧工事
1986年~1988年
インドネシア国鉄中央線
高架軌道工事
1991年~1992年
インドネシア国鉄3線
信号軌道工事
1992年~1994年
フィリピン国鉄
通勤南線改修工事
1996年~1999年
台湾高速鉄道
建設工事
2003年~2006年
インドネシア国鉄
ジャワ南線複線化工事
2004年~2007年
インドネシアジャカルタ
都市高速鉄道
南北線(地下鉄)工事
2017年〜2018年

技術の維持継承

線路を守るプロフェッショナルとしての技術を維持・継承していくために、社員、作業員が実際に保線作業の技術を習得できる実習線設備が愛知県北名古屋市にあり新幹線軌道、在来線軌道、分岐器など、教育に欠かせない本格的な設備を備えています。ここで線路を保守するためのノウハウ、軌道構造理論などを教育しています。

安全確保を第一に。

軌道工事は線路内で行われるため、作業者の安全確保には最大限の注意を払う必要があります。
名工建設では公共輸送機関の工事に携わる社会的使命を強く認識し、列車の正常運行を決して乱すことのないよう、独自の安全施策を展開。毎日の移動手段として安心してご利用いただくことを常に心がけながら、工事を行っています。